Hall測定で得られた電子密度の温度依存性n(T) を用いて、関数S(T,Eref) を
−(1)
と定義する。新しく導入したパラメータErefで、S(T,Eref)がピークになる温度(Tpeak)を変化させる。
次に、上記の定義式を理論的に検討する。電気的中性条件から求められる電子密度n(T)は
−(2)
で与えられる5)。ここで、NDiとEDi は第i番目のドナー密度とエネルギー準位であり、gDiは第i番目の縮退因子、NAjとEAjは第j番目のアクセプタ密度とエネルギー準
−(3)
と近似する。 したがって、S(T,Eref)は
−(4)
となる。ここで、
,−(5)
,−(6)
,−(7)
であり、ECは伝導帯下端のエネルギーを示す。各iに対するDi(T)exp(Eref/kT)が異なった温度(Tpeak i)でピークを持つことを利用して、各々の不純物密度とエネルギー準位を評価する。
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