「実験目的」では、まず背景となる定理を述べ、そこからさらに何を知りたくて実験を行ったのかを書きます。課題として「これを調べなさい」という実験内容しか教官が与えなくても、その実験を通じてみなさんに何を気づかせたがっているかを読みとって、それを書きます。つまり、どれくらい教官の意図が汲み取れているかの指標になります。また、的外れなことを書いていたら、読むだけ時間の無駄ですので、教官は読んでくれません。ですから、ここは気合を入れて書きましょう。
「実験手順」では、前述の定理から始めて、何をどのような順番で計算したかを書きます。慣れないうちは箇条書きにするといいでしょう。慣れてくると、適切なフローチャートで書くといいでしょう。一目で全体がつかめるので、読み手によい印象を与えることができます。尤も、不適切なフローチャートだと、箇条書きよりも分かりにくいので、うまく図示できないようでしたら、フローチャート化をさっさと諦めて箇条書きにしましょう。
「実験結果」では、言葉通り計算実験の結果を書きます。できるだけ図や表を利用して、計算結果同士の関係を一目で把握できるように工夫しましょう。結果のデータが膨大になりすぎるようでしたら、大勢に影響のないデータを削り落とすとか、参考としてフロッピーディスクの添付を考えるなど、読み手を退屈させないように工夫しましょう。読み手は「うっとうしいから読まない」という最終兵器を発動することができるのですから。
「考察」では、「実験結果」からあなたが気付いたことを書きます。これこそが読み手が最も読みたい内容ですから、「実験目的」以上に気合を入れて書きましょう。このとき、「実験目的」の章をもう一度読みなおしてください。何を知りたくて実験したのか、という点を念頭において書かなければいけません。もし、実験目的に対して実験前にあなたが予想していたことがあればそれを述べて、予想が正しかったかならなぜ正しいのかを、あるいは予想と異なっているならどのように異なっていてそれはなぜかということを書くと書きやすいはずです。