まにゅある


回路作成 〜プロテル99SEの使い方〜



◆◆◇1:
 まず、プロテルを起動します。すると左のウィンドウが現われます。
 そこで、[ファイル]→[新規デザイン]を選択します。選択すると下のウインドウが開きます。
 デザイン名と保存場所を決めて[OK]をクリック。今回は、ファイル名を「protel.ddb」としました。






◆◆◇2:
 protelという名前のデザインが作られます。左にもあるように3個のアイコンが表示されます。ここで、Documentsフォルダを開いて、[右クリック]→[NEW]を選択します。下のウインドウが開き、論理回路を製作するため、「Schmateic Document(以下、SCHとする)」を選択します。






◆◆◇3:
 SCHを作ると、カーソルが名前を変更するようになるので、作成する回路の(他人が見ても、どんな回路か想像がつくような)名前を付けます。ここではデザイン名と同じ「protel」と言う名前を付けました。下図は作製するためのSCHを開いた状態です。
 次に、作製すべき回路の論理図を完成させて行くのですが、今の状態では配線はできても、抵抗などの素子が配置することができません。まず、ウィンドウ左側の「Libraries」に必要なライブラリを登録しなければなりません。(抵抗・コンデンサやICなどの素子は、このLibrariseから選択して配置していきます。)


 ライブラリの登録方法は、[Add/Remove...]をクリックして、下のウインドウが開き、プロテルのインストールフォルダ下のLibrary中のSch(SCH用のライブラリ)を開き、必要なライブラリを選択して[Add]をクリックします。
 今回は、「Miscellaneous Devices.ddb」を登録しました。最後に[OK]をクリックして完了です。






◆◆◇4:
 ライブラリよりコネクタと抵抗を選択して配置します。(ここではCON2とRES1を使いました。)
 必要な素子の配置が終わると、次はそれらをどのように接続するか、WritingToolsのPlaceWireを使って配線を行います。
 左図はその時の状態を示しています。






◆◆◇5:
 SCHが完成すると、次にPCBを作ります。タブを切り替えてDocumentsフォルダを開きウィンドウ内の適当な位置で[右クリック]→[NEW]をクリックします。
 開かれたウィンドウのWizardsタブに切り替えてPrinted Circait Board wizardを選択します





◆◆◇6:
 [NEXT>]
 上のチェックで[imperial]を選択して[Custom Mode Borad]を選択して、
[NEXT>]
 中段の[Track Width]を15milにします。そして、下段の5つのチェックを全て外しておきます。
 そして[NEXT>]
 [NEXT>]
 [Layer Stack]のチェックは一番上の[Two Layer - Plated Through Hole]を選択します。
 下のチェックは[None]を選択します。
 [NEXT>]
 [Thruhole Vias only]を選択します。
 [NEXT>]
 [Through-hole componeds]を選択します
 [Two Track]を選択します。
 [NEXT>]
 [Minimum Track Size]を12milにします。
 [Minimum Clearance]を13milにします。
 ここでは、12milと13milにしましたが、太さを変えたい場合などはこれの整数倍で大きくしていけば問題ないです。
 [NEXT>]
 [Finish>]





◆◆◇6:
 以上の操作を完了させると左図の様にPCBの雛型が作られます。
 ここでは、これまでの操作と同じようにKeepoutレイヤーやMechanicalレイヤーの線を自由に編集することができるので、基盤のサイズをここで改めて調整することが出来ます。  





◆◆◇7:
 PCBを新規作成すると、まずSCHで選択した素子に適応するPCB内のライブラリを探すことにします。SCHとPCBでは別々のライブラリを参照しますので、SCHで使った素子がPCBに反映されるように、SCHで使った素子が参照すべきPCBライブラリを登録して、Footprint(素子の足のスタイル)を指定する必要があります。
 ここでは既ににライブラリが加えられている状態ですが、初めてのプロテルを使う時はライブラリが何もない状態です。その時は「Add/Remove」をクリックしてSCHのときと同じようにライブラリを追加していきます。
 ここでは「Headers.ddb」と「Miscellaneous Connectors.ddb」を使います。


 必要なライブラリ名が分かれば、再びSCHに戻り配置してある素子をダブルクリックします。すると下のウインドウがが開きます。
これはCON2を選択した時のものですが、ここに書いた情報がPCBに反映されます。
 そこでFootprintに先ほど選んだPCBのライブラリ名を記入します。そしてDesignatorの「J?」を「J1」と書き換え「OK」をクリックします。
 (これは同じ物が複数ある場合それらの違いを見分けるためのもので、重複しない固有な名前を付けても良いようです。)
 同じように抵抗に関しても設定します。
 ここではCON2、RES1のFootprintにそれぞれ「HDR1X2」、「1210」を参照するようにしました。








◆◆◇8:
 以上の処理を行ってから次に、PCBにSCHの情報を反映させます。
 SCHをアクティブにして [デザイン]→[PCBの更新]を選択します。すると左のウインドウが開きます。一番下の二つのチェックを外して「Preview Changes」をクリックします。すると左下のウインドウが開きます。ここには、追加・変更した素子の足の配線に問題がないかをチェックした結果リストが表示され、エラーがない場合は「Execute」をクリックして次に進みます。もしエラーが表示されればエラー箇所を参照して修正して下さい。
 PCBの更新が正常に終了すれば、先ほどのSCHを元にPCBの配線すべきリンクが下のように変更なります。


※これはprotel99の画像です





※これはprotel99の画像です ◆◆◇9:
 ここまでくれば残りは回路のデザインをしていくだけです。
 各線を引くのは [配置]→[トラック]を選択するか、PlacementToolsのRunExternalManualRouterを選択します。
 ただしこの時レイヤーに注意する必要があります。
 レイヤーはウィンドウ下のタブで切り替えます。また実際に線を引いたときに各レイヤーで設定された色で配線されるので、どのレイヤーに線を引いたか分かるのですが、各レイヤーにはそれぞれ役割があるので、その役割に応じたレイヤーを選択する必要があります。
 主なレイヤーの一覧を以下に示します。

TOP 基板の表面に配線する
BOT 基板の裏面に配線する
KeepOut 配線可能範囲を決める枠を描く
Mech 基板の大きさを決める枠を描く

今回は「KeepOut」と「Mech1」を用いて基板の大きさと配線可能範囲を先に設定して、配線は「オートルート」と言う機能を使いました。その結果が左の図です。
 オートルートを行うには、[オートルート]→[すべて]を選択します。(オートルートは部分的に行うことも出来るので、試してみてください)





◆◆◇10:
 次にTOPを銅で覆う為にポリゴンを製作します。(製作した回路のTOPとBOTを電源とグランドで埋めて、信号のノイズを軽減させます。)
 ポリゴンの作製には [配置]→[ポリゴンプレーン]を選択するか、PlacementToolsのPracePolygonPlaneを選択します。すると左のウインドウが開きます。
 「Connect to Net」にどの足とつなげるか設定します。実際にはVCCまたはGNDとつなげるのですが、ここでは NetR1_1 になっています。
 「Grid size」と「Track width」で、覆う網目の穴の大きさと線の太さとを設定します。(ポリゴンは実際には網状をしています。そこで網線を太く、穴をそれより小さくすれば塗りつぶしの状態になります。ここではGrid sizeを1mil、Track widthを5milにしました。
 「Layer」はポリゴンをどのレイヤーに配置するかを決めるものです。ここでは、Top layerに設定しました。
 一通り設定が終わると「OK」をクリックします。すると十字のカーソルが出てくるので、ポリゴンで埋めたい範囲を囲うように線を引きます。





◆◆◇11:
 そうして出来上がった状態が左の図です。
 大まかな説明ではありますが、以上をプロテル利用に付いての説明とします。他にも色々なテクニックや便利なコマンドがあるのですが、それについては実際に色々試していただければと思います。








プロテルの使い方 〜まとめ〜


 基本的なプロテルの流れ
 1.デザインのデータベース(プロジェクト)を作製する。
 2.Schmateicを作製する。
 3.Schmateicに論理回路を作製する。
 4.PCBを作製する。
 5.登録されているPCBライブラリのFootprintをSchmateicの各素子に反映させる。
 6.Schmateic Documentから『PCBの更新』をする。
 7.PCBの素子のリンク通りに配線を行う。
 8.GNDとVccのNetを覆う。
 9.印刷してエッチングを行う。 →『回路作成 〜エッチング〜』へ


 基本的な操作方法
 ALL
素子の配置 Schmateic(またはPCB)ライブラリ内の一覧をダブルクリックまたはPlaceボタンをクリックする。
素子の回転 素子の配置時に、スペースを押す。半時計回りに45度ずつ回転する。素子を再選択時にスペースを押すことでも回転する。
配線を編集 線を引いた後、見やすくする時に線を選択して動かしたいポイントを選択して
配線を消去 線を選択して、Deleteを押す。
まとめて移動 マウスで範囲選択して、選択した素子・線が黄色で表示している状態でドラッグする。移動完了後は、ツールバーのハサミマークを押して選択解除する。
 Schmateic
配線を引く ツールバーのWiringToolsのPlaceWireを選択して、左クリックで配線の各ポイントを決定して、配線が完了したら右クリックで配線を終了する。
 PCB
配線を引く ツールバーのPlacementToolsのRunExternalManualRouterを選択して、左クリックで配線の各ポイントを決定して、配線が完了したら右クリックで配線を終了する。
配線の
ルール設定
[デザイン]→[デザインルール]で配線の間隔、太さ、Netで覆う時の貫通するポイント形状などを変更します。印刷時や少しの配線変更で黄緑色でエラー表示されている時などは、巧みに設定を変更してオートルートなどを行うと良いかもしれない。


 プロテル使用時のポイント
パソコンにプロテルを初期インストールした後、一度プロテルを起動して終了してからサービスパックや日本語化を行うこと。レジストリの関係からか、起動していないとサービスパックを適用するときにランタイムエラーになることがある。
ネットワークライセンスが1個しかないため、同一LAN上では警告が表示される。
各ライブラリは、一度プロテルに登録をすると別ファイルで再登録する必要はありません。初期インストール後に登録を1回行えばいい。
プロテルのファイルを開いた状態でプロテルを終了すると、次回プロテル起動時にそのファイルが読み込まれて起動するのでファイルを閉じてから終了すること。
印刷する時、何も設定を変えていないと通常使うプリンタに出力される。[ファイル]→[プリンタ設定]をするとSelect Outputの一覧が表示され、見た目はそれぞれ登録されているプリンタが表示されているが、実際には[Option]→[Setup]をしてプリンタを指定しなくては通常使うプリンタに出力される。印刷するときは面倒でも、プリンタの設定を確認することがベストである。
プロテルのファイルが大きくなった場合は、Netを削除すればそこそこファイルが軽くなります。また、プロテルを起動した状態で新規データベース(プロジェクト)を作製して、必要なSchmateic、PCB Documentを既存データベース間でコピー&ペーストすれば見えていない不要なログが残らないため軽くなることが期待できます。





トップページへ