Q4.温度によってどのように依存するの?
A4.例として、n形半導体における依存のされ方を図と対応させながら、説明しています。
a)絶対温度零度。
熱エネルギーがないから、キャリア密度は0のままで、ドナーは、イオン化してません。

b)温度を少しだけ上げてみましょう。
E
DはEcのすぐ下にあるからちょっとしたエネルギーで、電子を放出したがります。
でも、温度が低い間は、Ec以上に上がった電子はエネルギー不足のため不安定で、
またすぐにE
Dに落ちてしまします。
だから、全体としては、少量の電子がEc以上に存在することになります。
ここから、いくつかのドナーは、電子を放出するために、陽イオン化します。

c)もうチョイ温度を上げてみよう。
E
D上にあるドナーが調子に乗ってどんどん電子を放出しはじめます。

d)室温。
殆どのドナーは、電子を放出しています。

このぐらいまでが、下図の(A)の領域であり、
キャリアの凍結領域という。
e)さらに温度を上げてみよう。
ドナーが調子に乗りすぎて持ち駒である電子を全て放出しています。

f)さらにさらに温度を上げてみよう。
まだ電子を放出するように思われがちですが、ここでは、e)でもふれたようにE
Dは、
からっぽなんでEvから電子が上がってくるほどのエネルギーを得るまでは、しばらく、
一定のキャリア密度を保ちます。
このぐらいまでが、下図の(B)の領域であり、
飽和領域という。
g)バリバリ温度を上げます。
E
Dそっちのけで電子が無尽蔵のEvからバンバンEcへ上がっていきます。
ここでは、全てのドナーが陽イオン化しています。
この辺りが、下図の(C)の領域であり、真性領域という。
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