(1)VDS=2,4,6,8,10[V]の時、縦軸√iD ,横軸VGSのグラフをそれぞれ(Fig.8),(Fig.9),(Fig.10),(Fig.11),(Fig.12)に示す。また、VGSの高い部分を直線と近似し、最小二乗の1次近似したものもそれぞれに示した。ここに、最小二乗の一次の直線の式を示し、それぞれしきい値電圧Vthの値を求める。iD=K(VGS−Vth)2において VDSは全てピンチオフ電圧以上であるから、近似直線は上式と見なして、√Y=√KX−√KVthとする。 直線の式 Y=ΣAi×Xiと置くと
VGS=2[V]
のときA0=-20.86,A1=13.65,
correlation coefficient 0.997
Vth=1.53[V]
K=186.3
VGS=4[V]
のときA0=-22.86,A1=14.81,
correlation coefficient 0.996
Vth=1.54[V]
K=219.3 VGS=6[V]
のときA0=-23.48,A1=15.20,
correlation coefficient 0.998
Vth=1.54[V]
K=231.0
VGS=8[V]
のときA0=-24.80,A1=15.79,
correlation coefficient 0.989
Vth=1.57[V]
K=249.3
VGS=10[V]
のときA0=-27.83,A1=14.48,
correlation coefficient 0.988
Vth=1.59[V]
K=305.6
(2)しきい値電圧Vth
について
[1]VGS
−Vth
<0の時チャネルは形成されない [2]0<VDS
<VGS
−Vth
の時チャネルが形成される。 [3]0<VDS
=VGS
−Vth
の時ピンチオフ状態
以上よりしきい値電圧Vthはチャネルが形成されるまでVGSによって多数キャリアである電子を誘起させ、可動させるためのギャップエネルギーのようなものである。即ち、VGSはVth以上でなければチャネルは形成されない。更に、VDSはVGS−Vth以上でないとドレイン側に空乏層が広がらずピンチオフしない。
(3)VDS
−iD
特性(graph 8)よりチャネル長変調変数λを求める。
((6)付録)より、VDS−iD の関係は となる。この式より、飽和領域の直線の延長線(それぞれのデータ域の最小二乗の一次近似の直線)のVDS軸との交点はVDS=−1/λであるからグラフから VGS=−22[V]よりλ= 0.04545 となる。